前田信吾:解剖学・それは愛!…医の共通言語の現状と未来?

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解剖学・それは愛!…医の共通言語の現状と未来?

「解剖学」といって、皆さんの想像される解剖学は実は過去の物に成ろうとしている。 肉眼(マクロ)解剖学を標榜している研究室は、全国の医学部・歯学部合わせて100学部ほどあり、コメディカルを入れるとその数は相当数存在する。 ここだけ聞くと全ての学校に、肉眼解剖学を専攻している人が居ると思われるでしょう… しかし、現在の標榜と内実は大きく異なります。 研究室の標榜通りに肉眼解剖学の研究をしている所は、片手で納まる程しかありません。 現実に、「日本の解剖学は既に、終わって居る。」と言われて、どれ位の年月が過ぎただろうか… ミクロ・モレキュラーバイオロジー一辺倒の実情… 何故マクロの研究者が育たないのか?大学の採用で多く見られるインパクトファクター… マクロの研究は、論文を一つ出すのに、1年や2年という時間は当たり前にかかります。 今、解剖教授でも、全身解剖を知らない人・専門はモレキュラーという人が大半で、モレキュラーの世界では、世界的に有名かも知れないけど… 人体の構造については、教科書以下という教授が出て来ている現実… この先、自分の専門分野の解剖の知識はあっても、全身としての関連とかに関しては知らない医療従事者が出て来るかもしれない。 現実として「歯科医師養成に、口腔以外の身体はいらない。」という人が居る嘆かわしさ。 その様な状況を見て、本当に脅えた十数年後の医療、おちおち病気にも成れない。 解剖学・生理学って医学の共通言語だよね? その共通言語が危ない。 解剖学のモレキュラー化で体の構造を話せる解剖講師が減ってしまった… その結果、本当に身体の繋がりが解からない医療従事者が今後多くなるのではないだろうか? 現在は看護師養成機関で解剖学を授業しております。生活の身近なニュースを解剖学的な見地から話し、笑顔の看護師に成って貰える様に、ドクター中心の医療から、本当の意味でのチーム医療への架け橋と成る医療従事者の養成を目指して 全身を話せる、解剖学の先生が減って居る。これって・日本の医療が危ないのでは?

前田信吾

解剖講師・歯科医師

解剖学・それは愛!…医の共通言語の現状と未来?

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