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いま、ケアする病院ネットワークを立ち上げて
「ケアする病院ネットワーク」の意義と今後の展望を報告する。理想のケアを実現するために行っている工夫と、現場で「できない」と感じる理由を率直に語り合い、身体拘束の是非にとどまらず、ケアの質そのものを問い直すネットワークを立ち上げた。私たちが目指すケアとは、単に安全を守る処置ではなく、その人の存在そのものを大切にし、尊厳、関係性、生活の輝き、QOLを支える営みである。ネットワークの定義は、拘束廃止をゴールにするのではなく、患者・利用者だけでなく、ケアする側も含めたすべての人を笑顔にすることにある。その実践の柱として、①人として尊重し支援するケア、②その人に合わせたケア、③生活の輝きを重視するケアを共有した。さらに、業務的な「処置」中心の発想から、人間的な「関係」へと視点を移し、良いケアと陰りがちなケアを自己点検する枠組みを確認した。相互見学により、ホスト病院は自院の取り組みを言語化し課題を再認識し、見学者は「できるかもしれない」という希望と具体的な改善の視点を得た。この小さな気づきの積み重ねが、組織文化を変える力となる。今後は、この学びを各施設の日常実践へつなげ、マインドセットの変化、エビデンスの共有、対話と協働を通して、「ケアとは愛である」という価値を地域全体へ広げ、誰もが存在を大切にされる医療・介護の場を育てていく。
田中志子
一般社団法人ケアする病院ネットワーク 代表理事
医療法人大誠会・社会福祉法人久仁会
理事長


