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いのちの旅路を紡ぐ – From Information to Action –
遺伝カウンセリングは、単なる医学知識の伝達を超え、人間の存在と心理に関する探求のプロセスです。遺伝情報は、個人と社会に医療の選択肢を提供しますが、クライエントの医学的原因と心理的な問いへの答えが最も重要です。普段は、認定遺伝カウンセラーとして、遺伝情報を知った際の不安を和らげるための心理社会的支援を行い、クライエントが自身の遺伝情報を知り、意思決定するプロセスに関わっています。
私は、目指したい社会があります。それは遺伝情報の理解が深まり、遺伝情報に基づいた個人の意思が尊重される社会です。大学生から始めたサイエンスコミュニケーションを通じて、社会一般向けに遺伝情報の正確な知識と理解を広め、社会的受容を促進する活動にも力を入れています。遺伝情報が健康や生活にどう影響するかを伝え、誤解や偏見を減らし、遺伝的違いの受容度を高めることを目指しています。
本当は遺伝性疾患の当事者ではない生活者も、遺伝情報を知りえる社会の一員であり、「コトを起こす」メンバーです。この機会に、認定遺伝カウンセラーとしての私の経験から、ともに「いのちの旅路を紡ぐ – From Information to Action -」を考えてもらえたらと思います。
鈴木美慧
一般社団法人CancerX 理事
聖路加国際病院遺伝診療センター・認定遺伝カウンセラー




