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夢を諦めない時代に ~出来ないことではなく出来ることを~
母が病で倒れ重度障害者になったのは30年前。障害者への偏見、介護を語れない家族、バリアだらけの町・・・本当に生き辛い社会でした。誰にも頼ることのできない18歳の私が辿り着いたのは「出来ないことではなく出来ることを数える」という発想の転換です。
また障害は生き辛さを感じさせる環境の中にあることにも気づきました。そんな発見と学びの連続だった母との暮らしはずっと続くものと思っていましたが残念ながら末期がんで他界。障害を抱え寝たきりの状態にも関わらず笑顔で“感謝だわ”と言えた母は、最期まで人には出来ることがあり役割があると教えてくれました。20年前でしたが、地元にチーム医療を実践している画期的な病院があり善き医師と看護師に支えられ自宅で看取る事が出来ました。
哀しい事に障害者への偏見は無くならず、更に安楽死に賛成する若い世代が増えています。医療やケアは“深化”し続けているのに残念です。「患者さんが安楽死を望むのは私達のケアが足りていないから」とあるホスピス医は語っています。ならば生き辛さを言葉に出来る環境を作り、私達は世代、職種、地域を超えて対話を重ねていく必要があります。その架け橋になれるよう「もし自分だったら」という想像力を持ち生き辛さを抱えている当事者の“声なき声”にこれからも耳を傾けていきます。障害のあるなしに関係なく住み慣れた地域で当たり前の暮らしが送れる社会を作りたいという夢を叶えるために・・・。
町 亞聖 MACHI ASEI
フリーアナウンサー