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食べることの尊さ ~10年にわたる摂食障害の先に~
大学2年にはじめた安易なダイエット。痩せた達成感が背中を押し、2年でマイナス30kg。そこから待っていたのは過食衝動。1日30個ほどの菓子パンを貪り食い、半年後に35kgのリバウンド。その後も過食呕吐、無茶食い、拒食など約10年間にわたり、数十kgの増減を繰り返してきました。病院を受診するも、確立された治療法はなく、食欲、カロリーに支配される頭。かろうじて大学院を修了するも、新卒入社での製薬会社では社会的な偏見、いじめ、孤立。失われた青春の20代。そんな私が立ち直るきっかけが、食育との出会いでした。食べ物に徹底的に向き合い、食べることの喜びを再認識。子供向けの料理教室を通じて培われる自己肯定感。ハッピーエンドな回復と言いたいところですが、活動中の悩みからの再発や、結婚、妊娠、育児ストレスでの悪化、無月経による不妊治療など、紆余曲折がありました。それでも今は二児の母として、転職した一人の女性として、家族や仲間に支えられ、生きる喜びを感じられるようになりました。摂食障害の推定患者は20~30代で50人に1人、身近な病気。経験して感じた食の持つ深い意味や食べることの尊さをお伝えします。