吉村芳弘:あなたが一般病院で臨床研究をすべき3つの理由

  • 内容:Contents
  • プレゼンター:Presenter
  • テキスト:Transcript

あなたが一般病院で臨床研究をすべき3つの理由

基礎にせよ、臨床にせよ、そもそも医師はなぜ研究するのでしょうか? インパクトファクターを稼いで研究費を確保し、ポストを取るのは研究の手段です。言い換えれば代用アウトカムにすぎないのであって、研究の目的、すなわち真のアウトカムではありません。ちょうど、骨格筋量の増加が、あくまでリハビリテーション栄養介入の代用アウトカムにすぎないのと同じように。  では真のアウトカムは何か。われわれ医師が自分の好きな研究を続けたいと思うのは、純粋に“知りたいから”、私はそう思います。皆さんの中にも、小学校の夏休みにワクワクしながら自由研究をした経験のある方も多いでしょう。悪戦苦闘を重ねた自分の研究成果が、何の面識もない異国の査読者や編集者に認められ、初めての英語論文として世に出たときの喜びは、まるで今朝の出来事のように覚えています。 サルコペニアという言葉が急激に人口に膾炙したのは、2010年にEWGSOPが出したコンセンサス論文からだと言われます。それ以前もサルコペニアという言葉はありましたが、先行研究を体系的にレビューしたこの論文がtipping pointになりました。サルコペニアに限らず、現代医学のあらゆる知見は先人達の知(臨床研究)の積み重ねの成果であると思います。 もし科学の存在意義というものがあるとすれば、それは「言葉や文化が異なる人々が世界のしくみについて語るときの唯一の共通言語」ではないかと思います。共通言語なくして、人々は共通の問題について正しく認識することができません。医学には説明あるいは理解できないことが未だにたくさん残っています。地道な臨床研究が、たとえささやかでも、世界を変える知見に結びついてほしい、また自分でもそういう臨床研究をめざしたい、と思っています。 あなたが一般病院で臨床研究をすべき3つの理由を私の言葉でお伝えすることができたらと思います。

吉村芳弘

熊本リハビリテーション病院

あなたが一般病院で臨床研究をすべき3つの理由

関連プレゼンテーション

  1. 中村悦子:能登から発信できること

    中村悦子:能登から発信できること

  2. 谷合久憲:市民と取り組む医療・介護・福祉を軸とした自分達の地域を守るための総力戦

    谷合久憲:市民と取り組む医療・介護・福祉を軸とした自分達の地域を守るための総力戦

  3. 大髙美和:障害のある子どもたちが子どもらしく育てる居場所を創る~共に生きる、共に育つ~

    大髙美和:障害のある子どもたちが子どもらしく育てる居場所を創る~共に生きる、共に育つ~

  4. 亀井倫子:三鷹の嚥下と栄養を考える会

    亀井倫子:三鷹の嚥下と栄養を考える会

  5.  高山かおる:人生100年時代の到来を自分の ‘足’ で迎え撃つ

     高山かおる:人生100年時代の到来を自分の ‘足’ で迎え撃つ

  6. 塩崎良子:人生の最後まで、「病人らしく」より「自分らしく」

    塩崎良子:人生の最後まで、「病人らしく」より「自分らしく」