村上紀美子:ときどき「患者の目線」で話しませんか?

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ときどき「患者の目線」で話しませんか?

みなさん、こんにちは、村上紀美子です。医療者と患者・市民をつなぐ立場で、日本国内、欧州7国と米、NZで医療・介護の取材を続けています。 MEDプレゼンにお声かけいただいたのは『患者の目線 医療関係者が患者・家族になってわかったこと』【医学書院】という、20人の実体験をもとにした本のご縁でしょう。 この本でご紹介した中から、医療関係者のみなさんが、専門家としての目線+ご自分の中にある患者の目線でみると、いつもの見慣れた光景が新たな世界としての姿を現わすことをお話したいと思います。 ○ICをいくらていねいにしても、患者さんが理解しない…。それは、患者さんが理解力がないから、ではなく、「何か」がひっかかってその次に進めない、のです。その「何か」は、医療者の想像を超えています。「なんだそんなこと」と拍子抜けするようなこともあります。 ○「居心地の良いほっとする環境で」「患者の立場にたち、医療知識のある友人のように関わる」英国のマギーズがんケアリングセンターをご存知でしょうか。患者のセルフケア力アップ、満足度アップ=苦情減少にも役立つのです。日本の患者相談支援にも参考になると関心が高まり、「マギーズ東京」をつくるパイロットプロジェクトが湾岸エリアで動きだしました。http://maggiestokyo.org/。 ○いま病院は、後期高齢患者さんであふれています。これからの病院は、患者さんはひとり暮らし(家族付き添いなし)、超高齢、多少の認知症ありがあたりまえと覚悟しなければならないでしょう。急がば回れで、よ~くご本人の話を聞きながら、本人が自分で判断できて納得して動けるまで、根気よくつきあう。これは一見遠回りのようですが、患者とのトラブル防止になり、病院の評判を上げる近道になりそうです。 (参考:医療関係者の目線と患者の目線で、病院の前後の活動を『納得の老後 日欧在宅ケア探訪』(岩波新書)に紹介しています)

村上紀美子

作家

ときどき「患者の目線」で話しませんか?

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