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「生い立ちによるひずみの犠牲をゼロに」
虐待やいじめなど、こどもに関する心の痛む報道が珍しくなくなってしまった今、私たちは「生い立ちによるひずみ」に目を向けてきた。人は産まれたばかりのころから、『守られたい』『愛されたい』などの欲求がある。それらがこども時代に満たされていくことが、育ちを豊かにしていくはずなのに、『誰が満たすか?』ということの全てを、日本社会は親に委ねてきてしまっている。何らかの理由で経済的・精神的・時間的余裕を失った親を持つこどもは、当然満たされないままに心にひずみを抱えていくことになる。そして今、『こども時代に満たされなかったコップ』を持って、親になった大人たちもいる。私も、こどもの頃に親が離婚した。親が親としての役割を果たすことができなくなった状況で、私自身の心を満たしてくれようとしたのは、周りの大人たちだった。そういった大人に出会えた私は、運が良かったと思う。だから、次は私が、誰かのコップを満たす側に回りたいと思い、さまざまなこどもたち・親子とともに17年間を歩んできた。しかし、活動の中では、私だけ、私たちだけでは、救いきれない心、救いきれない命にも出会った。こどもたちの悲しいニュースをなくしていくには、運任せにしない『地域でこどもを支える社会』を創っていかなければならない。
光本 歩
NPO法人ウィーズ理事長




