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おむつを開けずに中が見たい
介護者さんの何気ないひと言が私にきっかけと衝撃を与えてくれました。
介護の現場は30年前から現在に至るまでほとんど変化していません。
その1つが「排泄」であり、日常生活を送る中で必要不可欠で最も重要なケアイベントでもあります。現場には、おむつを変えてほしいがうまく伝えることができない利用者さんと、変えてあげたいけど適切なタイミングがわからない介護者さんで溢れています。今は第三者目線かもしれませんが、近い未来では私たち自身が当事者として直面するかもしれません。では、日々進歩する技術の中で私たちができることは何なのでしょうか?
私たちは解決案の1つとして「におい」に着目し、排泄を検知するデバイスを開発しました。においを対象としたデバイスであることで利用者さんに対しては非侵襲・非装着を実現でき、簡単に設置可能であれば介護者さんの負担も減らすことができます。また、排泄は知らず知らずのうちに生活のリズムを築いており、排泄ケアの向上は利用者さんだけではなく、介護者さんに対しても多くのメリットを秘めていると考えています。
今回のMED Japanでは、既に人類総介護時代であるこの世界で介護において避けては通れない「排泄」という最重要ケアに目を向け、介護に関わる人々をどのようにテクノロジーで支えることができるのか、また、排泄を整えることの重要性について考えてみたいと思います。
宇井吉美
株式会社aba 代表取締役 CEO