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最期まで口から食べられる国、日本
最期までは口から食べられない国、日本。先進医療が作ったのは、口から食べなくても生きられる国でした。これが、有史以来誰もが望んだ長寿の姿なのでしょうか。1990年代、日本で胃ろうが普及し、2000年代に入って急速に広まってきました。それと同時に、口から食べられなければ胃ろうがある、といった安易な考えで口から食べることを奪われるケースが増加しました。口から食べることは人間にとってこんなにも軽いものだったのでしょうか。2009年、東京都新宿区で専門職プロフェッショナルチーム、新宿食支援研究会(新食研)を組織しました。しかし、「最期まで口から食べられる国、日本」を作っていくのは専門職だけでは不可能です。誰もが自分の問題、家族の問題、そしてわが地域の問題として考えなければなりません。全国各地で「最期まで口から食べられる街づくり」を進めていくこと、それは食べる権利を取り戻す活動なのです。
五島朋幸
ふれあい歯科ごとう