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「地域包括ケア」と矛盾する「医療フリーアクセス」
医療・介護の2025年到達目標として「地域包括ケア」が国を挙げて提唱されている。 住まい、生活、医療、介護などを住み慣れた地域の中で十分に満たされれば、高齢者や社会の満足度は高まるという内容だ。 とりわけ各サービス間の連携が強調されている。 ところが、医療が小・中学校区域内で他サービスと連携しながら完結されるか疑問だ。 患者が遠くの医療機関に自由にアクセスできる「フリーアクセス」制度ではとても難しい。 複数の医療機関に関わる高齢者が多数派だ。 これでは介護や生活サービスの事業者も地域の医療機関との連携が取りにくい。 加えて、費用面からの非効率だ。 経済協力開発機構(OECD)は、国内総生産(GDP)に占める医療費が 35加盟国中で3番目の高額だと発表した。 介護保険関連のサービスを加えたためと言われる。 医療関係者はこれまで「日本の医療は極めて効率的」と主張し、抜本的な医療改革を拒んできた。 その足元が揺らいできた。
浅川澄一
ジャーナリスト