私のミッション ~ALSと向き合う
人生に向き合わなくてはならないことがある。私は2度ある。最近もあった。2021年8月4日、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の診断。同時に余命宣告。しかし、絶望する暇もない程、やらなくてはと感じることで頭が一杯になった。そのために財団を立ち上げた。そしたら仲間が集まった。財団には3つのミッションがある。他のALSの患者に「寄添う」。低下する身体機能をサポートするための手段や方法を世界中から集め、直接提供して患者を「支える」。医学の進歩には期待している。一方、間に合わないかもしれないという不安もある。ただ、自分に自分で希望の灯を灯せれば裏切られない。患者が病気を「乗り越えようとするその努力をお手伝いする」ことが3つ目のミッション。
なぜ前向きなのか、と聞かれる。それは私が初めて自身の人生に向き合った最初の経験に関係している。1991年9月、ザイール(現コンゴ民主共和国)で大暴動に巻き込まれ、命からがら脱出した。脱出できたが長くPTSDに苦しむ。乗越えられたのは、助かった替わりに人生をかけて達成すべきミッションを与えられたからと信じたから。ALS罹患そしてそれを乗り越える自身の旅路が自分のミッションだと信じた。そして、今の自分があり、今後もそう信じていく。最近、人生に失望し、絶望の際に立っている人が少なくない。ミッションに取り組む私の姿が、「生きる」意義を見失いそうになっている他の人たちの励みになればと考えている。