酒向正春:超高齢化社会における日本の役割

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超高齢化社会における日本の役割

世界に先駆けて超高齢化社会を経験した日本の役割は何でしょうか。それは超高齢化問題の解決法を世界に示すこと、その一つが健康医療福祉問題の解決です。  超高齢者の病気や障害は治らず、社会参加や社会貢献も難しい。障害を負っても家に閉じこもらず、その人がその人らしく暮らしを継続するためには、病気や障害と上手に付き合い可能な範囲で能力を向上させる医療支援体制、さらに、社会参加や社会貢献を実現させる環境整備と活動支援体制が必要になります。これを自治体ベースの都市モデルとして実践し、日本全国、そして、アジア諸国に広めることが私の夢です。その基盤は障害からの人間回復を可能とするリハビリテーション(以下、リハ)医療とまちなかの地域リハ体制であり、それは地域包括ケアシステムの確立をも意味します。  健康医療福祉都市構想は、北欧生活経験に基づき提唱した「超高齢者対応の都市環境整備」と「世界に誇る日本の良質な脳卒中医療リハ連携」の連携によるコミュ二ティの再生です。ハードの核は「ヘルシーロード」という公園的歩道空間であり、線から面へ展開しコンパクトに街づくりします。一方、リハ医療による都市再生モデルは新しい文化と産業を創生します。人間回復と関連した良質で機能的なファッション、生活スタイル、アート、健康アプリ、工学&情報テクノロジーは世界標準を目指しパラリンピックへとつながり、就労支援、介護支援、教育育成、子育て支援、シルバー支援は街づくりの基本となります。本概念は本年8月1日に国土交通省より「健康医療福祉のまちづくりの推進ガイドライン」として発表されました。この都市モデルは回復期リハ病院を中核とした都市機能向上モデルとして国家戦略特区でも注目されており、アジア諸国への人材教育育成や都市整備協力は日本をリスペクトされる国とし、ロックフェラー財団が認める世界100レジリエンスシティへの認定にもつながることでしょう。

酒向正春

SAKOH MASAHARU

大泉学園複合施設  (ねりま健育会病院院長・ライフサポートねりま管理者)  回復期リハビリテーションセンター長
デンマーク国立オーフス大学病院 脳神経病態生理学研究所(CFIN) 客員教授
愛媛大学医学部 脳神経外科 非常勤講師

日本脳神経外科学会 専門医 評議員
日本脳卒中学会 専門医 評議員
日本リハビリテーション医学会 認定臨床医 専門医 指導責任者
日本認知症学会 専門医 指導医
日本脳循環代謝学会 評議員
日本脳ドック学会    評議員
日本障害者スポーツ 認定医

昭和62年 愛媛大学医学部附属病院 脳神経外科 入局
平成5年 積善会十全総合病院 脳神経外科医長~部長
平成9年 愛媛大学医学部附属病院 脳神経外科 助手
平成9-11年 デンマーク国立オーフス大学病院PET-Center研究員、講師、助教授
平成12年 愛媛大学医学部附属病院 脳神経外科 助手復帰
平成15年 愛媛大学医学部 脳神経外科  院内講師
平成16~23年 初台リハビリテーション病院 脳卒中診療科 科長
東京女子医科大学 脳神経外科  非常勤講師
平成24~27年 世田谷記念病院副院長 回復期リハビリテーションセンター長
平成27~29年 健育会竹川病院院長補佐 回復期リハビリテーションセンター長
平成29年~ 大泉学園複合施設施設長 (ねりま健育会病院院長・ライフサポートねりま管理者)
愛媛大学医学部 脳神経外科 非常勤講師

平成20年 東京大学医療政策人材養成講座 優秀賞
「医療崩壊の解決策としての健康医療福祉都市構想」

「脳卒中リハビリテーション(以下、リハ)のエキスパート。愛媛県宇和島市出身。愛媛大学医学部卒業後、1987年脳卒中治療を専門とする脳神経外科医となる。脳外科手術に明け暮れる日々を過ごした後、2000年デンマーク国立オーフス大学助教授として脳卒中後の脳の自然回復力や脳科学を研究。2004年病気の治療以上に人間回復させることが重要と考え、愛媛大学脳神経外科講師から脳リハ医に転向。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を経て、2012年世田谷記念病院を新設。副院長として回復期リハセ ンターを設立し都内神奈川方面のリハ医療を整備。2015年健育会竹川病院院長補佐および回復期リハビ リセンター長に就任。2017年練馬区大泉学園7丁目に大泉学園複合施設・ねりま健育会病院院長・ライフサポートねりま管理者に就任しし、都内埼玉面のリハ医療整備に着手。
ライフワークは街づくりで、2004年より「健康医療福祉都市構想」を発信。国土交通省より 6年間の委員会を経て、2014年に「健康医療福祉のまちづくりの推進ガイドライン」を発表。2016年より練馬区に健康医療福祉都市構想委員会を創設し、練馬区大泉地区に人間回復による社会参加と社会貢献を可能とする街づくりを実践。脳障害からの機能低下や認知症による能力低下を予防・再発予防するブレインヘルスプロジェクトも推進。
2013 年NHK プロフェッショナル~仕事の流儀~第 200 回「希望のリハビリ、ともに闘い抜く リハビリ医酒向正春」、2015年NHK視点・論点「攻めのリハビリ」、2018年NHK視点・論点「医療と街づくり」に出演。著書は「あきらめない力」(主婦と生活社)、「リハに役立つ脳画像」(メジカルビュー社)監修、「患者のこころがけ」(光文社新書)。」

・大泉学園複合施設(ねりま健育会病院・ライフサポートねりま)
http://nerima-k.gr.jp/

・NHK プロフェッショナル仕事の流儀 第200回
「希望のリハビリ、ともに闘い抜く リハビリ医 酒向正春」
http://www.nhk.or.jp/professional/2013/0513/

facebookhttps://www.facebook.com/masaharu.sakoh

超高齢化社会における日本の役割

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