西 智弘: 社会的処方が拓く未来

こころやからだの調子が悪くて病院に行けば、患者さんは薬の処方箋を受け取る。でも、本当の問題は「医療モデル」だけでは解決できないかもしれない。診療所に持ち込まれる問題のうち2割は「社会的孤立」によるものという報告もある。でも、私たちにはそれも医療で解決するしか手段がない。
このとき、体操やアート、地域のサークル活動などを紹介できたら、社会的孤立が解消され、薬がなくてもその人の健康問題は解決するかもしれない。
薬と同じように「社会とのつながり」を処方するから社会的処方。
イギリスでは、釣りやアート活動を処方された高齢者がうつ病から脱したり、認知症の症状が軽くなったりという例も報告されている。
この仕組みを日本でも取り入れようと考えて作られた「社会的処方研究所」。Research、Factory、Store(暮らしの保健室)の3つの仕組みで、日本型の社会的処方をどう動かしていくのか?そして社会的処方がどんな未来を拓くのか?ということをお伝えしたい。