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死から考える…「告知」は誰の為?
私は歯科医で解剖学講師。父は歯科医、そんな私が驚愕した母からの電話。 それは、病院嫌いの父が病人と見え始めた瞬間だった。 母の願いは、是が非でも父を病院へ連れて行く事。 友人の医師に頼んで無理やり病院へ。 ミッション開始時から私の中で生じた、医療人と家族の狭間での葛藤。 検査へ行く事に成り、患者として告知を望まない父。 その後に検査及び原状回復目的で行われた手術。 術中に家族に告げられた病名と余命。 父への告知後、男性・息子・同業者の立場から向き合えた父との時間。 手術後に行われた数々の精密検査。 やはり告知を望まない父…しかし医療の現実はそれを許してくれない。 悪い検査結果を聞く度に疲弊し、徐々に弱っていく父。 術後17日、父絶命。 父が最後まで貫いた、知りたくない。 しかし医療従事者の義務として手術や検査結果の告知があった。 この事から「患者と医療従事者の関係」、「家族と医療従事者の関係」 … そして「告知」は誰の為?
前田信吾
解剖講師・歯科医師