- 内容:Contents
- プレゼンター:Presenter
- テキスト:Transcript
秋田県立大発、血糖値上昇抑制作用のある新しい米の開発
国民の1/5が糖尿病かその予備軍といわれている昨今、医療費の膨大化を阻止し、今後、益々高齢化する国民をより健康に保つために、糖質摂取の制御は、重要な課題である。我々は、米澱粉の研究を長年行ってきており、澱粉生合成メカニズムを解明する過程で、様々な澱粉変異体米を単離してきた。澱粉変異体米とは、澱粉を合成する特定の酵素の遺伝子が欠損した米のことを言うが、これらの中には、通常の米と全く異なる澱粉を蓄積するものが存在することがわかってきた。我々は、特に、消化しにくいためダイエット効果があり、大腸環境を整えることが知られている難消化性澱粉が、通常の米の数十倍高い変異体米を単離した。この変異体米を使って調理した炊飯米や米菓は、摂取後の血糖値上昇やインスリン分泌量が通常米と比べて優位に低下することが既にヒト試験によって証明された。現在、それらの品種改良によって、ダイエット米としての実用化を目指している。
藤田直子
秋田県立大学生物資源科学部