原田恒弘:77年目の遺言

  • 内容:Contents
  • プレゼンター:Presenter
  • テキスト:Transcript

77年目の遺言

真夏の厚い雲に覆われた前橋上空。B-29爆撃機92機は一斉に弾倉を開いた。爆撃手は慎重に照準器を覗きながら投下レバーを倒した。
 爆弾はスルスルと滑るように市街地へ吸い込まれていった。爆撃手の任務は終った。人がどこで、何人死のうが関係ない。ただ与えられた任務を遂行しているだけだ。
 雲の下には多くの前橋市民がいた。恐怖におののきながら、じっと息をひそめ、死に神を追い払うよう神仏に祈った。
 恐怖は現実へと変った。家々は焼き払われ、四散した肉体はコピーしたように壁にへばり付いた。
 77年前の8月5日、人が焼かれ、骨が砕け散る地獄の惨状。

 平和主義者のあなたへ。
  平和って、いったい何ですか。

原田 恒弘 Tsunehiro HARADA

元あたご歴史資料館学芸員

2022 77年目の遺言

関連プレゼンテーション

  1. 寺山 月愛: 笑顔が溢れる音楽

  2. 横山英子:食を通して、生き生きとした毎日を! ~医食同源プロジェクト宮城カルテ食堂の取り組みを通じて~

    横山英子:食を通して、生き生きとした毎日を! ~医食同源プロジェクト宮城カルテ食堂の取り組みを通じて~

  3. 菅康徳:「ヒーロー~消えゆく限界集落に、最後の医師として残る意味を見つける~」

    菅康徳:「ヒーロー~消えゆく限界集落に、最後の医師として残る意味を見つける~」

  4. 本多智康: よりよき人生の最終章のために ~人生最期の締めくくりのお手伝い~

    本多智康: よりよき人生の最終章のために ~人生最期の締めくくりのお手伝い~

  5. 小川順也:強みを活かして主体性を引き出す場作り

    小川順也:強みを活かして主体性を引き出す場作り

  6. 三浦正悦:生きてて良かった! ~ひとりひとりのドラマを創るコミュニティケア~

    三浦正悦:生きてて良かった! ~ひとりひとりのドラマを創るコミュニティケア~