近藤若菜:美しく歳を重ねる ー笑顔で心も体もステキに!

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美しく歳を重ねる ー笑顔で心も体もステキに!

美しさは命には直接関係ないものなのでしょうか。自然の秩序の中には「美しさ」がちりばめられていると数学者は言います。また、医師も、美しい死と美しくない死があると言います。
自然の秩序が美しいものなら、自然の一部である私たちもまた、美しさを求めるのは自然なことと言えます。幼少期からバレエをしてきた私にとって、美しさは当たり前のように追求し続けるものでした。
超高齢社会になり、フレイルなどが問題となる今、美しさを求めるバレエにより培われる心の在り方、姿勢は大変役に立つと信じております。
美しく年を重ねたい、そう思う多くの方にぜひ聞いていただきたいと思います。

近藤 若菜 Wakana KONDŌ

有華バレエスクール主宰

美しく歳を重ねる ー笑顔で心も体もステキに!

 はじめまして、私は群馬県の伊勢崎市で「有華バレエスクール」を主催しております、近藤若菜と申します。
 本日は、美しく歳を重ねるために大切なことを、バレエの立ち位置からお話しさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
(スライドを参照しながら)最初に私のプロフィールをご紹介させていただきたいんですが、私は群馬県の前橋市生まれです。3歳からバレエを始めました。白鳩バレエ研究所で、大胡しづ子先生という先生について、15歳までバレエを前橋市でしておりました。15歳になりまして、松山バレエ学校松山バレエ団に入りました。
 その当時、1年365日の約3分の1、舞台に立っているような忙しさでした。3日に1回舞台を踏んでいる感じです。とても充実した日々を送らせていただきました。
 23歳から有華バレエスクールを開いて、バレエを教え始めました。40歳の時に、美しく歳を重ねるというレッスンを始めました。一人一人に合せました、オリジナルのカリキュラムをつくってのお稽古になります。体と美容面とお食事と、トータルな美しさを目指しております。
 私が食事制限をとってもしてまして、体をこわしましたので、痩せることのみを目的にはしない、スリムになるということはある程度はしても、痩せることのみを目的にはしない。やっぱり体をこわしてはいけませんから、最後まで元気にいるために、厳しいダイエットなどは致しません。
 ご高齢の方のフレール予防のための、美しく歳を重ねると言うレッスンも、9月から予定しております。
(スライドを参照しながら)こちら、私が15歳のときの写真なんですけれども、このときにはとても舞台が毎回しょっちゅうございましたので、スリムでないといけなかったんですね。なのでスリムでないと舞台に立たせていただけなかったので、とても必死に食事制限をしておりました。本当に大変だったんですが、でもそれを支えてくれた母の方がもっと大変な思いをしたと思います。
 この体型を保つために、食事制限をしたために、のちのち「変形性股関節症」になりました。その後歩けない時期が長くて、人工股関節全置換術を受けました。
 その手術をしてくださった先生が、私がバレエが大好きなので、いつまでも踊れるようにと股関節の可動域が広くてとても、脱臼は絶対にしないという股関節を入れていただきました。普通は脱臼しやすいものなんですが、開脚しても全然脱臼しないようなものを入れていただきました。
 シンプルな秩序の中に、自然の美しさがあるといいます。私たち人間も自然の一部ですよね。ならば自然の一部である私たちが、美しさを求めてもなんら不思議はない。それも自然なことだと思うんです。
 バレエの動作というのは、シンプルな正しい形っていうのがありまして、本当に実にシンプルなんですね。その形がつなぎ合わさって一つの動作になります。動かし方さえ覚えれば、どなたにでもできるものです。訓練は必要ですが、ですがそれだけではやっぱり足りなくて、そこに心が込められて、魂が込められた時に、お客様に喜んでいただくことができる素敵な踊りになります。やはり美しい形も、美しい心がこもってこそ光り輝くんだと思います。
 美しくなる秘訣というのはいくつもありますが、今日は3つ取り上げてご紹介したいと思います。
 1つ目は「丁寧さ」です。バレエの動作というのは一見華やかですけれども、じつは丁寧でゆっくりした動きが基本になっております。丁寧こそが美しさの元なんです。じゃ、どのように丁寧にするんでしょう? それは、自分や自分の周りの人、自分の周りのものすべてを優しい気持ちで丁寧に扱うということです。
 たとえば赤ちゃんを抱っこする、赤ちゃんを撫でる、そのように扱うということなんです。自分自身を大切に扱うことも非常に大切です。自分を大切にすることで、将来の自分の姿がまったく変わってきます。美しくなります。
 美しくなる秘訣、2つ目は「笑顔」です。いつも笑顔でいるっていうことなんですが、いつも笑顔ってちょっと難しいなと思う方もいらっしゃるかと思うんですが、バレエをしてますと、自然に笑顔を作れるようになります。(スライドを指して)このように。
 作れるようにはなるんですが、「作れる」というとちょっと「うん?」と思う方もいらっしゃると思いますけれども、作ることによって、心の中も明るくなります。
 試しにやってみていただきたいんですけれども、笑顔を作って怒ってみてください。お暇なときにぜひしていただきたいんですけれど、たぶん怒った声を出すのは難しいと思うんですね。笑顔にすると心の中もちょっと変わりますので、怒った声も出しにくくなるんだと思います。で、それを続けていますと、やはり表情にも表れてきて、眉間のしわなども伸びてきます。
 美しくなる秘訣、3つ目は「引き上げて関節を広げる」ということです。皆様もよくご存知のトウシューズ、ご存知だと思うんですが、これ、硬くて非常に履きづらいものです。ですが、これを履きこなすために重要なのがやはり脚のトレーニング。それともう一つ、とっても重要なのが「引き上げ」っていうものです。引き上げて立つことによって、このトウシューズを履きこなせるようになります。
 この「引き上げ」というものはバレエだけでなく、バレエしてない方にとってもとても有効なんです。引き上げることによって関節のあいだを広げて、関節を健康に保つことができます。
 そのうえ、ずっとそれを続けておりますと、バレリーナのような美しい姿勢を獲得することができます。
 ちょっと皆さんで踊りをして……踊りといってもちょっと羽根を作るだけなんですが、それをしていただきたいんですが、その前に「引き上げ」をごらんいただきたいと思います。
(スライドを参照しながら)左側が引き上げ前の画像です。ちょっと背中が、背骨がこう曲って、S字を…アルファベットのS字を描いていると思いますが、引き上げるとどうなるかというと、お腹を締めて、内臓を引き上げ上に持っていって、背中の骨がIの字に近づくようにして、ここから(頭をてっぺんを指して)紐が伸びて上からこう、引っ張られているようなつもりでいるんです。これが「引き上げ」です。
 これは大人の方でバレエを始めた方は、皆さん多くの方が約2センチ身長が伸びたっておっしゃるんですね。成長したわけではなくて、このように引き上げたことによって、緩んだ紐がピンと伸びるのと同じように、引き上げで伸びているんですね。
 脚の美しさはバレエにとって重要ですが、上半身の美しさも非常に重要です。
 これから皆さんもよくご存知の、バレエの動作の中でとても有名な、白鳥の踊りを…踊りと言いますか、羽根の動作をしていただきたいんですが、リモートの方はきっとご自宅なのでできると思いますが、会場の方はスペースある方は、一緒にもしよろしかったらしてください。
 男性女性問わずこのバレエの動作で羽根の動作っていうのは、男性の踊りでもいっぱいありますので、ぜひしていただけたら嬉しいです。することによって、心の中だけでするだけでも全然違うので、出来ない方は心の中でなさってください。
 心の中でするだけでも、だんだん心が解放されていきます。すると動かすことによって、上半身と、鳥になるイメージを持っていただくと、心の解放になります。
(場内BGM「サン・サーンス『白鳥』」が流れ始める)
 有名なサン・サーンスの「白鳥」の音楽に乗せて、有華バレエスクールの生徒の皆さんに踊っていただきました。介護度・要介護3の私の90歳の母も、ちょっとやらせていただいております。
 ちょっとしてください。(実際に動作をしながら)下にまず腕を下ろします。ご自分が風船の中に入ったような気持ちになってください。で、まず風船の内側を手の甲で撫でていくように上げていきます。そうです、そうです。
 で、上まで行きましたら、手の甲と甲を付ける……あ、痛かったりしたらやらないでください。で、付けます。
 そうしましたら今度は風船の内側をてのひらで、小指の腹…そうです。で、撫でて下ろす。これで羽根の出来上がりです。これの連続です。そうです、ありがとうございます。
 呼吸は上げるときに吸って、下ろすときに吐きます。上げる。
 で、ちょっとしばらくしていると、上げたときに背骨がこう上に引っ張って伸びるのを感じていただけるかと思うんですが。
 ありがとうございます。こう、上に伸びたままをちょっと保っていただければと思います。
 このコロナ禍で身も心も縮こまってるときが多いかと思いますけれど、このようにバレエの動作などしていただいて、皆様も美しく歳を重ねていかれることを願っております。
 本当に、バレエの動作というのは、難しそうに見えてじつは単純な動作の組み合わせになります。で、まず姿勢を良くするので、骨にとても良いんですね。私は股関節を傷めてしまいましたが、それはやはり無知なこともございまして、傷めてしまいました。
 ですから栄養をきちんと摂って、できるだけ姿勢をしっかり伸ばしていただく。それが将来とても良い結果になると思います。
 今日は不手際で申し訳ございませんでした。ご清聴ありがとうございました。

テキスト化 「ろくや」さん

 

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