重光喬之:非交流型webサービス“feese”の挑戦

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非交流型webサービス“feese”の挑戦

脳脊髄液減少症は、慢性化すると終わりのない病気です。 突発性・外傷性・医原性で誰しもが発症する可能性がある病気です。 認知も社会保障も追いつかず、治療可能な病院は46ヶ所です。 外見上は健常者と変わらないものの、たえず耐え難い痛みを抱え、私の場合は、入院手術、離職、自死の検討、離婚を経て今があります。 当事者として自らの経験を発信し続けた結果、当事者から叫びにも似た問合せ、メッセージ、社会復帰の事例が集まりました。 5月に当事者ニーズに応じたwebサービス「feese=feel+ease」をプレリリースしました。 当事者へ類似事例や関連性の高い情報を提示できるようAIやウェアラブル端末等の活用を視野に、病院治療から社会復帰までのすき間をケアする一翼を担うことで ①患者の症状抑制及び生活苦の緩和 ②早期発見と治療への貢献による慢性化防止 ③慢性患者の社会復帰の支援、ロールモデル作り の実現に挑戦中です。

重光喬之

プラス・ハンディキャップ

非交流型webサービス“feese”の挑戦

 

(拍手)
よろしくお願いします
脳脊髄液減少症とほどほどにつきあうためのライブラリー“feese”という取り組みをしている重光と申します。これから8分間よろしくお願いいたします。
皆さんは脳脊髄液減少症という病気をご存知でしょうか。今回は3分の2の方が医療従事者ということだったんですけども、もしよろしかったら手を挙げていただいてもよろしいでしょうか。……結構いらっしゃるんですね。ありがとうございます。

私は10年前ある日突然あの病気になりまして、痛みなんですね、症状は。どれぐらい痛いのって言うと、この春に盲腸をやったんですけども、半年間我慢してしまって、破裂寸前までいってしまうくらい痛いですね。よくどれぐらい痛いのと聞かれた時には、親知らずを抜いた……ちょうど歯の話だったんですけれども……親知らずを抜いたような後のズキンズキンする痛みが身体の複数箇所でずっと痛いというように伝えています。

いつも痛いとですね……写真が汚くてすみません。私の写真なんですけども……いらいらしてしまうんですね。眠れなくなったりとか、集中できなくなってしまって、円形脱毛症になってしまいました。多分唯一目に見える症状だと思います。
治療とは別に薬をいろいろと試してきたんですけども、最終的には抗てんかん薬のランドセンと医療用麻薬に効果がありました。ランドセンを服用して、1、2カ月で髪は元に戻りました。ただ、薬もだんだん効かなくなっていくので、今はフェントステープとかリロテープを使っていますが、この一年あまり効かなくなってきて、だんだん効かなくなってしまいまして、体重が76キロが62キロ、61に下がってしまいました。痛みダイエットって自分で呼んでいるんですけども。

自分の症状はこの赤字で書いた、だいたい痛みと、高次脳機能障害と画面にでてたんですけども、人によって症状は様々なんですね。私は痛いがメインなんですけども、中には痛みはない方もいらっしゃる。十人十色というのがこの病気の特徴です。
この方のメッセージが、とても当事者の気持ちを代弁していると思うので、読ませていただきます。
「脳脊髄液減少症の難治なケースに当てはまるということは、とても厳しい、なかなか甘いものではないですよ。肉体的にも、精神的にも、社会的にもゆっくりと殺されてゆくようなものですね。まだ死にたくない。」って言っていらっしゃいます。
中には自死される方もいらっしゃいます。痛みで自殺をする、想像できますでしょうか。

脳脊髄液減少症は誰しもがなりうる病気です。私はある日突然ですが、例えば階段で転んでとかですね、体育の授業でということもあります。交通事故起因の方が多いですね。脊髄から脳脊髄液が漏出する病気というよりも、脊髄の怪我に近いです。見た目普通っていうのが特徴ですね。
今は諸説あるんですけれども、50万とか100万の患者数があるとされているのですけれども、去年の時点では46か所の病院でしか治療・診断ができません。ということはですね、治療・診断が遅れてしまうので、症状が慢性化してしまって、慢性化すると社会に戻れなくなってしまいます。1年以内の治療で8割の方が緩解するといわれています。まあこれ一説ですけども、言われております。

これは10年前の私の RI シンチグラフィーの画像です。この丸いところから、髄液が漏れているのが確認できます。ミエログラフィーという新しい検査が最近できまして、3回目の検査や治療をしたんですけれども、初めてですね、まぁ数年ぶりに数ヶ月間調子がよくなったんですね。今まで痛みで不安とか孤独を感じることはなかったんです。それで急にこうちょっと調子がよくなったというふうに感じてしまって、半年ほど鬱になりました。鬱は鬱ですごく大変だなあという実感をしたんですけども、鬱というのは認知度がやっぱりあるので、鬱なんだって言ってお話は伝わるかなと思うんですけども、脳脊髄液減少症ってなかなか伝わらないので、3年後に今の鬱と同じくらいの認知度にしたいなというのは個人的なミッションです。

私たちの取り組みを、5月にプレリリースした、プレサイトをもとにしてちょっと説明させていただきます。脳脊髄液減少の方々に対して、3つのステップでアプローチをしていきます。まず、当事者の体験の共有ですね。どうやってこう生きてきたかということでQOLを上げていきます。さらには普及・啓発をして慢性化をさせない。万が一、慢性化してしまっても社会復帰をできる後押しをしていきたいと考えています。
この病気の第一人者の方、医師からは脳脊髄液減少症の現状と、サービスに対してのコメントをいただいています。
具体的に何をしているのかということなんですけども、症状緩和の工夫と、例えば生計の立て方であったりとか、友人や職場の方にどのように伝えているかといった生活の知恵みたいなものや当事者エピソードを集めています。
この女性はですね、体育の授業で発症しました。それから28歳になって、まだ働けていません。周りに同じ病気の人はいない。生きてていいのかという自問自答をしてこれからどうやって生きていこうというのを書いていただいています。

今はソーシャルワーカーさんや人工知能のエンジニアと一緒に6名で取り組みを進めています。今はデータベースというところで、日々その医療行為の後から社会復帰の間の抜け落ちたところの、生活の情報とかというところを集めようということで集めているけれども、それを集めてデータベースを作って人工知能やウェアラブル端末、音声解析を使って、患者さんの QOL の向上や社会復帰の後押しをしていきます。

例えばです。交通事故で発症した方と転倒して発症した方がいます。転倒した方はもう10年選手のベテランです。交通事故の方はまだ発症しちゃってどうしようっていう時なんですけれども。例えばこちらの方は在宅で web の仕事をしたりとか、気圧の確認アプリで予定を立てたりとか、電気マッサージ機を使って痛みをごまかすとか、いっぱい生きるための知恵を持ってるんですね。そういう情報が集まれば集まるほど、これから病気になる人に対してはすごく生きるためのヒントになるなっていうので、集めています。
さらには、情報が集まれば集まるほど属性別で情報を分類していって、人工知能がそれを類推して、その人にあった提案であったりとか、相談にのったりとか、アドバイスをしてあげるんじゃないかなっていうことで進めています。さらにもっと進めて、心拍とですね気圧と睡眠時間と歩数が、もう今はスマートフォンとかのウェアラブルデバイスでわかるので、そういうコンディションを確認しながら、その人は例えば2年後に自立したいって目標に向けて、人工知能がその体調をモニタリングしながら、伴走してくれるところまで持っていきたいと考えています。

今は企業や行政とアプローチをしながら、分担をしながら進めています。なんでこのサービスをしているかと言うと、症状そのもので死ぬ方はいらっしゃいませんが※、理解を得られなくて死んでしまう方もいます。気持ちは分からなくはないんですけれども、死ぬのはもったいないっていうのが根底にあります。※修正しています。
同じ病気だからこそ分かり合えるんですけども、だからこそ越えられない壁っていうものがあります。認知理解がないところだとですね。仮に同じ病気の人が2人いたとします。かたやパートナーの理解があって家族の支援もあります。で、かたやないとですね、そのちょっとの差異が分かり合えないところを作ってしまうのを数々見てきたので、あえて交流しない。情報を置いておく、共有するだけっていうのをコンセプトにしています。

伝えたいことはですね、あなたは一人ではないです。でも期待しすぎないで、あきらめないで生きてほしいっていうことを伝えたいです。ここに情報を置いておくので、よかったら見てください。もしよかったらそれを参考にしてみて、あなたの次の一歩につながったらというような感じのイメージでサービスを作っています。

実はですね、脳脊髄液減少症だけではなくて線維筋痛症、慢性疲労症候群、化学物質過敏症と聞いたことある方いらっしゃいますでしょうか。……結構、やっぱり少ない……ぼちぼちですね。これに脳脊を加えると4疾患で350万人になるんですね。希少疾患の方は7000種類で700万人って言われてるんですけども、この4疾患で350万人なので、ニーズがあれば横展開をと考えています。

最後に皆さんにお願い、ご協力をお願いしたいことなんですけども、脳脊髄液減少症を覚えて帰ってください。治療が早ければなんていうことない病気なんです。また、社会復帰した方、当事者で社会復帰した方の情報がつぎの闘病者の生きるヒントになるので、是非情報をいただきたいです。
あと、今取り組み始めたばかりのサービスなんですけれども、ぜひご助言やアドバイス、応援いただければと思います。サービスはほどほどに作っているんですけども、ご支援は熱々でお願いできたらと思います。ご静聴ありがとうございました。
(拍手)

(テキスト化:篠崎 ゆり)

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