糟谷明範:住民と医療介護の懸け橋になる

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住民と医療介護の懸け橋になる

『住民と医療介護の懸け橋になる』これが私のミッションです。 私が暮らす街でも地域包括ケアシステム構築に向けて行政が動いていますが、住民にその声は届いていません。 地域の端っこで『助けて』と発信しながらも誰にも気づかれずに辛い思いをしながら生活している人が沢山います。 発信し続けて疲れてしまっている人もいるし、発信する事を諦めてしまっている人もいる。 殆どが健康と要支援の境にいて、いずれは医療や介護が必要になるような方達です。 こうしている間に”いま”困っている人たちはどんどん疲弊しています。 声を拾う事すら出来ない現状で、果たして地域包括ケアシステムは成り立つのでしょうか。 声を拾えるのはそこで暮らす住民とそこで働く医療介護の専門職であり、地域社会を変える事が出来るのも住民と医療介護の専門職です。 私は在宅医療介護や食、農業、参加型ワークショップをツールとして、『住民と医療介護の懸け橋』になります。

糟谷明範

シンクハピネス

住民と医療介護の懸け橋になる

みなさん、おはようございます。
みなさん、趣味はなんでしょうか? はい、ありがとうございます。
みなさん、いろんな妄想をね、していると思うんですよ。ね、変なことを考えている男性の方、いっぱいいると思いますが。
僕は最近ですね、こんな妄想をずっとしてるんです。
「医療・介護・福祉に対しての違和感」
僕まだ、理学療法士として11年くらいしか働いていなんですけども、社会に出た時からずっとなんかこの違和感がありまして。
なんか、街と僕ら病院施設に対しての、なんか壁があるかな?ってすごく、感じているんですね。

で、この方。ホリエモンです。
実は、この方ですね。この方もすごく、小さい頃から違和感を感じている人で。
福岡の小学校だったんですけど、毎年年明けに郵便局員が来るんですって、学校に。で、「お年玉ください」「貯金してください」毎年持っていかれるらしいんですよ。
なんで、自分がもらったお年玉を、郵便局員の人に渡さなきゃいけないのか。
それを変えたい、ってずっと思っていたらしいんですよ。
そんな社会の、当たり前を。
それでこの方。小泉首相の時に、郵政民営化の選挙に出たという、きっかけになったみたいです。

で、ですね私は、「在宅医療・介護を通じて地域社会を変える」これをずっとうたっています。ただ、僕は政治家ではないので変えることができるかどうかはわかりません。「空気」を変えたいな、と思っています。
「空気」ってなんだろうか。「当たり前」ですね。地域社会の「当たり前」。
お医者さんがえらそうだ、とか。僕らもよく言われます。リハスタッフえらそうだ、とか。地域に対してなんで目を向けないんだ、とか。
そういう「当たり前」。
患者さん、利用者さんが物言えない「当たり前」。それを変えていきたいと思っています。

で、今回のテーマ「社会医療人たれ!」ですね。
うわっ、これはもう僕が話すしかないな、と思いまして。
社会人として、医療人として、というとこだと思います。
僕が解釈したのは「人として」です。ひとりの人として。
僕、いつもこれ口すっぱく言ってるんですけど、みなさん「医療・介護の専門職である前に、そこで暮らす一人の人」なんですね。
本日、医療・介護の専門職の方、どんくらい、いますか?
一般の方はどのくらい、いるんでしょうか? あ、結構いらっしゃるんですね。
僕はですね、このふたつをつなぐ活動をしています。
僕のミッションはこれです。
「住民と医療・介護との架け橋になる」。これが、僕のミッションです。
どんなことをやっているのかな、というと、やはり先ほど話した通り、なんか壁を感じるんですね。なにかしらの壁。これを取っ払ってフラットな関係にする。

じゃあ、どうするか?
いろいろやってきました。行政とか自治体に駆け寄って、「僕こんなことができるんですけど、これやらせてください」「うーん。ちょっと予算が、ね。うーん、ちょっと時間がかかるかもしれない。来年なら予算が通るかもしれないんだよ。」前には進むんですよ。前には。しっかり進んでるんです。
ちょっと違うな、と。
じゃあ、医療人。医療介護の専門職。いろんなところで地域医療、地域連携とうたっている勉強会やっていると思います。ただ、すごくそこに行く人たちは多いと思うんですが、
果たしてそれが地域に帰った時に、役に立っているのか、どうか。
みんなが発信できているのか、どうか。
うーん。ちょっと、な。
僕は、思ったんです。地域住民を動かそう、と。
やっぱり、一般の方たちを巻き込んで一緒にやっていくのが地域の「当たり前」を変えるのには一番いいのかな、と思ってやっています。

で、私の会社なんですけども、「“いま”の幸せを創る」いうことでやっています。自分自身が幸せになって、スタッフが幸せになって、そして利用者さん家族、患者さん、そしてそれが街に幸せがシンクロするように、ということで「シンクハピネス」という名前でやっています。で、医療・介護事業部と地域創生事業、ふたつ作って繋げようとしてやっています。

でひとつ、訪問看護ステーションなんですけども、ちょっと、ない、訪問看護ステーションにしたかったので、街の人たちが来れるような。無機質な空間ではなくて、来て話ができるような空間にしました。
でそこで、ちょっとコーヒーもね、ひとつ出して、GOOSTコーヒーというところでプロデュースしていただいて、来ていただいた方には出しています。
そして、もちろん医療人なので、地域の健康増進を担わなければいけない、ということで、今私は府中市、東京の府中で活動しているのですが
府中市の地域リハビリテーション支援事業の拠点事業としてやらしていただいて、ちょっとだけですが、社会保障費の削減に役立てればいいかな、と思って活動しております。

そして、カフェを作っちゃいました。何やってるんだよ、と周りから言われるんですけども、どうしてもこれが必要だったんですよ。
病院、施設、我々専門職から地域の人たちに、「何が困っていますか?」「何が必要ですか?」「一緒にやりましょうよ!」と言っても「所詮、いやいや、あなたたち病院の人たちでしょ?我々の地域のことわかってないじゃん。だったらちゃんとここに来て話ししようよ」。言われた経験があるんですよ。自治会の会長さんとかに。「あぁ、すいません。本当そうですね、、、」
いや、もう悔しくて。悔しかったですよ、本当に。
だったら、地域に根ざした、こういうカフェを作って、そこを拠点にして商店街の一員として、その地域の課題は何なのか、みんなが何を思って生活しているのか、そこを聞いて、進んでいく。そのためにこれを作りました。

ちなみに場所は、ちょっとすごい辺鄙なところなんですが、東京の京王線の多磨霊園駅というところの徒歩1分くらいのところにあります。
中身はこんな感じです。そして、いろんなワークショップをやっています。
地域の方が来て、木彫りだったりとか、お母さん子供が集まる場所だっだりだとか。いろんなことをやっていまして、でひとつ月1回医療・介護の専門職を呼んで「フラット座談会」といって、「病気になったら、家族が病気になったらどうする?」みたいな形で話をしています。
ま、この中で、すごいいろんな話を聞くんですね、地域の方たちの。何に困ってるかな?すごい聞きます。
そして、10月から畑を始動しています。これも何やってるんだ、と言われるんですけど、ここもつながる場として。私は自然とね、五感を感じながら地域とつながる場としてやっております。

そして、これは本当に妄想の一つです、僕の。4年後5年後に、こういうごちゃまぜな施設。訪看があってクリニックがあって、でもその中に普通に、雑貨屋さん、街の八百屋さん、いろんなものがあって、一緒に共存している。そして、2階には住居があるんだけれども、2つくらい3つくらいは終末期対応の住居。そんな感じのものが出来たらいいな、なんて思って妄想しています。
そして、多摩地区ですね。みなさん東京の多摩地区ってここから西側なんですけど、左側です。私たちの活動拠点はここなんですが。地域の「当たり前」を変えるために色んな団体が活動しています。

中でもいろいろあるんですが、「たまほー」というのは、地域のリハビリテーションの専門職が集まる会。「たまケアLIVE」は私が代表をやっている医療・介護の専門職をつなげる、という会です。「医療レストラン」「いただきますの会」「三鷹の嚥下と栄養を考える会」とあります。
そこでですね、私は地域住民からいろんな声を聞きました。
地域の端っこで「助けて」っていいながら、誰にも声が届かなくて苦しい思いをしている人たち。家族が病気になってどこに相談したらいいのか、わからない人たち。病気になってたらいいんですよ。ただ、小さな不安がある人たちって病院に行っても「大丈夫ですよ」とか言われてしまうんですね。そこをどうしたらいいんだろう、ってそんな不安が募りに募って精神的に病んでいく人たちもたくさんいます。

この人たちに何ができるのか。
ここにお集まりの方々は、多分すぐ動ける人たちだと思います。
「“いま”自分にできることを、“いま”発信して“いま”行動する」
明日から、何ができますか? みなさん。
ここにいる人たちだから、絶対にできると思うんです。
僕は、「住民と医療・介護との架け橋になる」ために今後も行動していきます。
そして、社会の「空気」を変えるためにぜひ一緒に進んでくれる方を今日は募集しますので、もしよかったら後で声をかけてください。
ありがとうございました。

<文責:神田由佳 公立学校共済組合 関東中央病院 看護師>

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