西村元一:〝フリ〟からフリー(Free)になる、医療でありたい。~「良い患者のフリ」をする患者と「わかっているフリ」をする医療者~

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〝フリ〟からフリー(Free)になる、医療でありたい。~「良い患者のフリ」をする患者と「わかっているフリ」をする医療者~

今まで30年余り消化器外科医として大腸がんを中心にがん患者の診療を行ってきました。エビデンスや過去の患者さんから得られた経験などに基づき、最善の治療と思ったものをスタッフとともに提供してきたつもりです。ただ、自分自身は“がん”の経験がなかったので、いろいろな患者さんを通して、時折「あれでよかったのか?」「もっといい方法があったのではないか?」と自問自答することもありました。 奇しくも今回、自分ががん患者となり“患者の目線”で見てみると、今まで“医療者の目線”で見てきたものとは全く違った光景が見えてきます。また、同じ時間を共有したとしても、おそらく体感する時間は全く異なるであろうことも、両方を経験しているからこそ容易に想像がつきます。 どうしても患者の立場になると医療者の視線・言動が気になり、できるだけ「良い患者のフリ」をします。そして医療者は、やむを得ないですが、自分たちが体験が無いにも関わらず、「知っているフリ」「わかっているフリ」をして治療にあたることになります。もう少しお互いの「フリ」が取れると、医療がもっとよくなる気がしています。今回は自己体験も踏まえ、どうすればお互いの「フリ」を無くせるか考えてみたいと思います。

西村元一

がんと向き合う会

〝フリ〟からフリー(Free)になる、医療でありたい。~「良い患者のフリ」をする患者と「わかっているフリ」をする医療者~

〝フリ〟からフリー(Free)になる、医療でありたい。

~「良い患者のフリ」をする患者と「わかっているフリ」をする医療者~

 

えーすみません。あの、西村と言いますけれども。たぶん、今、秋山先生からご紹介いただきまして。チーム医療フォーラムということで、秋山先生の活動を知ったのが雑誌でして。で、そこで草の根活動とかされている、非常に秋山先生とつながりたいということがありまして、えー、とある先生をお願いして秋山先生とメールでつながって、それから秋山先生が主催される会に、いろいろプレゼンテーションとかマインドマップとか、そういうとこで参加させていただいて、いろいろ勉強させていただきました。

そこでも、自分自身いろいろな方とつながらしてもらいまして、やっぱり人とつながるということは非常に大きいことだなということで、ぼく自身もいろんな方をつなげているし、いろんな方につなげているということがあったと思います。

実際、後でもお話しますけれども、実際胃がんになりまして、治療を受けているということですけれども、実際自分が受けてみると 今副作用で、いわゆる有害事象でという形ですけれども。抗がん剤治療の専門家のうちの後輩もいますけれども。やはり有害事象で、たとえば今、右(左)の橈骨神経麻痺もありますし、左の、左の方の・・違うわ右の方の足のえー腓骨神経麻痺と、左の橈骨神経も完全にドロップハンドなので、ま、そういういうこともあって、多々経験してみるとやっぱり全然違うということもありますし、そういう面でちょっとお聞き苦しいこともあるかと思いますが、そこらへんはご容赦ください。

 

タイトルは、フリからフリー(Free)になる、医療でありたい!まぁ、良い患者のフリをする患者とわかっているフリをする医療者~ということで。自分が大腸がんの専門で治療を請け負ってきまして、やっぱり患者さんに言われたのは、やはりがん治療を受けたことないのに なんでそこまでどうしてわかるの?ということを言われまして。やっぱり治療をする立場としても、やはりがんを経験したこともないのに知ったかぶりをしているということが結構あったというふうに思えていまして、どうしたらいいのかな?ということで、がんになったら、がんになるしかないかなとか(思った)。で、こんなふうになってしまったということなんですけれども。まぁ、それは半分冗談ですけれども。そういう面も含めてちょっとお話ができたらなと思います。

自己紹介、つらつらっとかいてありますけれども、こんなもんどうでもいいので、実際なってみますと人生57歳プラスアルファですけれども、えー50年以上金沢市内で住んでまして、外科医になってから32年余りで、1年を除いて、全部金沢市内の病院にいます。ですから、まぁおそらく、まぁこの金沢で、えーまぁ、年老いて死ぬのかなっていうような形でいたということです。

えー基本的には、大腸がん専門にしておりまして、その外科医、大腸がんの外科医ということで、ま、基本的にはずっと金沢しか知らないということなので、石川県と金沢が大好きだということになります。

で、これは自分の大腸内視鏡の、え―写真ですけれども。大腸がん検診、大腸がんに携わってきて、大腸がん検診を推進していると、せめて大腸がんだけでは命を落としたくないなぁのがありまして。だから大腸がん検診はしっかり受けて、便潜血で、まぁ、ひっかからなくても、大腸内視鏡検査は5年か何年かでしたと。まぁ、そこはクリアだったわけですけれども、実は、えーとですね、胃がん検診が実は6年間受けていませんで、これは あってはいけないことなんですけど。うちの病院が、えー、まぁ、胃の内視鏡検査というのは選択性というのもありまして。えー何となくいつでもできるわということとか、あといつでもうけられる。これは医療者がよくあるのですけど、いつでもうけられるとか、忙しいとかね。自分は大丈夫と訳のわからないことを言う人もいて。これは実は結構おられまして。ぼくもこういう立場になって、たくさんの先生がけっこうお見舞いに来てくださるのですけれども、今まで1回も胃カメラを受けたことがないという胃がんのとあるえらい先生がおられたりとか、自分だけは大丈夫といいながら検診を進めているというわけのわからん医者もたくさんおるということで。おそらくみなさん、あの-次から検診を進められると思いますけれども、その時に、先生はいつ受けました?と1回、聞いてみると面白いかなと思いますので、ぜひ!・・でもそうやって聞かれることが、その先生、もしかして検診うけられるかもしれないので、そういうきっかけづくりとして、ぜひ!聞いてみてください。ですからここにも書いてあるとおり、医師がよく陥るわなということで、他人事でけっこうとらえる、だから自分は検診を受けているフリをして、みなさんに検診を進めている・・ということもちょっとあるかな?と思います。

で、実際今年の3月26日にかるいショック症状になりまして、突然下血と・・。これは自分のカメラなので、そのままです。で、あの胃の、食道から胃にはいるところにこういう腫瘍がありまして、こっから出血したということになります。でちょうど、えー、マークで、こういうところですね。ここにある。

次にCTを撮りますと、CTをとると、胃のところに腫瘍があるわけですけれども、またその一部が食道に入っていますし、あとすい臓の方にもいってる、かなり進行がんということになります。6年間 何もして来なかったので、で、リンパ節に転移がありますし、肝転移にも少なくとも3つあるということで、ま、基本的にはもう治らないがんだということになりますし、治療しなければ予後半年というような形になります。

ですから、これはもう医療者としては 目標はいかに長くつき合うか、ということで。まぁなにもしなければ半年だけれども、それは近藤誠さんであればなにもしないかもしれないけれども。ぼくらはやは何か治療をしたいと思うし、勧めてきたので、それなりのことはしたいということになります。

まぁ、これはもう一般的なことですけれども、早期のものであれば内視鏡で終わりますけれども、やっぱりそういう転移があるものに関しては、抗がん剤治療、あと手術、で、場合によっては放射線治療とか、あと免疫治療ということになります。えー、転移があるので、こういう選択肢になるわけですし、実際に まぁ胃カメラをして、ちょっと専門的になりますけれども、抗がん剤治療をしました。

でまぁ、一応今の段階で、ちゃんと一番いい抗がん剤治療というものを2個、まぁ、だいたい2ヶ月して効果をみると、まぁ、(スライドを示して)上と下が対比なので、大体こういう感じで、それなりに効いているかなというふうになります。ただ、劇的には効いていないというのを。まぁきれいに消える場合もあるので、それから見ると効いていないということもありますけれども、CTの検査をすると肝臓の方にもまあまあ効いていると。

ただ、PET・・をしますと、新しく見えてきたもの、効いているところもあるんだけど、効かないところもある。ということになると、このまま抗がん剤治療をしても、おそらく効かないところのほうがどんどん進んでくると・・いうことがあるので、ここで治療をどうするかということを決めないといけないということになります。

ですから、まぁこの場合は、えー主治医が、あの僕らの後輩ということもあったので、まぁ相談をして。一応食道から胃の入り口のとこなんで、それも多くなってしまうとものが食べれなくなる可能性があるということなので。まぁそこをとって、まぁあのがんの量を少しでも減らす方の治療、その後また治療しようか・・というふうな選択肢をとらせてもらいました。

でまぁ、抗がん剤治療をして、でまぁ手術をして、これは自分の手術ですけど、胃を全部取ってまわりのすい臓とか一部をとっていますし、肝臓とかもとれるものはとってもらったということになります。

で、あとー、やはりとったけれども、怪しいところがあるので、そこは放射線治療を追加して、あとまぁ免疫療法。これは免疫療法というのはまだまだ完全な確立された治療じゃないですけれども、まぁあのー金沢大学の横で先進医学センターというとこで、免疫療法をしっかりやられているところもありまして。まぁ制度的にはかなりしっかりしてきたということもありますし。まぁ抗がん剤治療、自分たちが受けている抗がん剤治療の邪魔にならない、それと併用してできるということがあるので、一応選択する。これは自分の気持ちと家族の気持ち、すべてを踏まえて、一応、免疫療法もしているということになります。

経過としましては、これも自分のもろのデータなんで、あれなんですけど、抗がん剤治療をして、免疫療法も少しやってきて、ただやっぱりおわかりのように、これCAって、これ腫瘍マーカーなので、がんの量を反映するわけなんですけれども、だんだん上がってきてたと。画像で見ると、胃カメラとかCTで見るとある程度効いているように見えても、やっぱり上がってきているということは、現れてないものがあるということになるので。えーまぁそういうこともあって、抗がん剤治療を切り変えるんじゃなくて、一応一回手術をしようということで、6月22日に手術をしています。

で、手術をしたらこの腫瘍マーカー、一応2.5と正常範囲なので、一応正常範囲まで下がったということで、かなり腫瘍の量が下がったということになります。ただ、何もしないとまた上がってきてまして。そこで、えー、今現在、オキサリプラチンの治療と放射線療法と免疫療法を加えているということで。実際今週も、えー、まぁオキサリプラチンの治療をして、やってるので、入れて3日後に左側の手のドロップがでてきたということで、まぁ急に出てきてしまったので、ちょっとこういう感じになったんですけど。でまぁ腫瘍マーカーの推移からいくと治療を始めてみて、横ばいから少し下がり気味ということなので、それなりの効果はある、じゃないかなということで、プラスアルファ。何も効かなければこの間もずっと右肩上がりで行くわけですけれど、でもそういう形なんです。

で、予後半年と、いうふうに、まぁ今後どうなっていくかという問題なわけですけども、予後半年というとちょうど誕生日が9月29日でありまして、3月26日に一応がんが見つかって、半年とちょっととで誕生日と。まぁこの時は、入院して、まぁ今も入院しているんですけども。入院した病棟、まぁ今、日赤病院に入院しているんですけれども。そのスタッフが前日の日に誕生会をしてくれて。逆に言えば一番最初に告知された時に家族、うちの家内とか言っていたのは、半年ってのはちょうど誕生日だったので、まぁ誕生日が一つの目標だねということ。それを過ぎて、あとはプラスアルファの人生かな・・というところで、今プラスアルファでいいと。

先日、まぁ秋山先生に言われて、今日中継してるんですけど。その段階ではある程度プラスアルファになっていいんですけれども。たとえば今日、午前中、仕事をして来たんですけれども。その仕事は、えー、6月くらいに引き受けているんで、6月としたら実は、今日があるかどうかもわからなかったんですけれども。そういう無責任だけども、まぁ少し目標になればということで結構仕事を受けていますし、今受けているのはたぶん一番最後は来年3月くらいの仕事は受けているんですけれども、それは当然、いけたらというような条件付きで一応受けている、ということになります。ただ、そういう仕事というのがひとつ治療の目標となるので、それに合わせてまぁ頑張っていければなというふうに思っている次第です。

で、実際に、そういう進行胃がんの診断を受けているとやはり治療にはやはり時間がかかります。これは、頭で考えてもたぶんそう思われると思うんですけれども。えー、手術にしろ、抗がん剤治療にしろ、したからといって、すぐに治療の効果がでるわけではないので。今抗がん剤治療しても、1ヶ月後くらいじゃないと効果があったかどうかがわからない。その1カ月間というのは、結局ずっと待ってるしかないので。ま、そういうような、ある意味治療とその効果の発現まで時間がかかるということは認識しておかないといけないですし。当然手術・抗がん剤治療、なんでも楽なものは1個もありません。でー、何をしても、100%元の身体に戻るわけじゃない。当然、内視鏡の、たとえばポリープを取るくらいで終わるような治療であれば、ほぼ100%戻りますけれども、じゃなければ、基本的に100%元の身体に戻らないので、そういう前提でやっぱり治療を受けないといけないですし、お金はかかります。

で、まぁ免疫療法度外視しても、やっぱりお金もかかるので、まぁ、宮迫さんとかアフラックの廻し物じゃないですけど、がん保険がないとたぶん、思ったような治療は受けられない。大部屋のところで人知れず、何も言わず、ちゃんとやっていくならば、それぐらいの治療を受けれるけれども。例えばやっぱり、どういう状態になるかわからない、そういう個室ということを考えると、やはりお金はがん保険とかないとやっていけない

で、まぁどうせ見つかるならば、早期がんでというのは、まあ後悔、今の本音ですけれども、そんなこと言ってても始まらないので、少しでも用いるということでやっています。

で、患者となって医療者に伝えたいことというのは、1つは告知を受けた日から生活が一変します。で、当然、死は意識するし、死というか、終わりというものを意識するので、終わりを意識していろんなことを考える。で、いずれ何かすればいいか、というと、いずれはないので、だからやっぱり前もって、やっぱり考えておかないといけないですし、こなす仕事から順番にこなすし、会いたくない人にもう会わなくても良いので。全然、やりたくない仕事とか会いたくない人にはもうそれはノータッチでいいと。

今まではお付き合いで、まぁその場でね、まぁなんか、また今度は会って話をしましょうねということは、今更もう考える必要もないので。だからまぁ、そういうこと言われたらきっと嫌いなんだなと思ってください。

あとはあのー、治療の選択というのは当然やり直しは効きませんし、ちょっとしたことでもバッドニュースにはなりますし。で、医療者の持っていき方ではこれがバッドからワースト。ワーストにいくらでもなると。あやふやにされて後でわかった方がよっぽどワーストになるので、きちっと伝えてもらった方がはるかに良いということ。あと神頼みはありますし。あと同じ時間を経過したとしても、皆さんはお忙しいと思うので、やることが次から次からありますけれども、治療を受けている患者さんは治療が優先で、あとはどちらかというと大事にしてくださいということで、あとはあんまり仕事が入らない。となると、同じ24時間。まぁ例えば昼間8時間を過ごしても、患者さんは3時間、たとえば2時間くらいしかやることがなくて、後はずっと待っているわけですよ。ねぇ。みなさんは8時間のうち、2時間を患者さんに費やすかもしれないけれども、そこらへんもすごい差があるので、そこらへんギャップというのは、その、大きなことだと思いますし。やはり人間何かをすることもあるとか、何かできることがある、誰かに頼られることとか非常に大きなことだと思います。だからお大事にといって、あとはもう身体を休めてくださいというのは、かえって見放された(と感じる)可能性もあるので、そこらへんもきちっとお互いに理解した方が良いんじゃないかというふうに思います。

あと患者さんの気持ちは当然、1日の中でもかわりますし、1週間に1回会ったからって、それで理解できる訳がない。日々変わりますし、場合によっては1日の中でも変わります。あと、当然土日はありませんので。あの、病院に勤めてて、今週土日、週末だから、来週月曜日にしましょうねというのは、患者さんにとって本当は通用しない。

だからただ、やっぱり病院のシステムとしては当然、休まないといけないので。それは当然、しょうがないんですけれども、そういう気持ちであるということは、やっぱり医療者を(に)伝えておかないと。当然。自分たちが休むのは、当然だっていうのは、患者さんにとっては通用しない、本当は。ま、そこらへんをやっぱり思っておかないといけないかなと思います。

で、人は絶対Ⅰ人では生きていけないですし、誰かが支えないといけない。それは医療者であろうが、医療者じゃなかろうが思いますし、当然、病気になってみると、本当にいろんな方にお世話になっていますし、そういう方がたがおられてからこそ、闘病ができるというのがよくわかります。

元気な時は自分1人の力で生きていると思うけれども、そんなこと絶対にありえないので、誰かがささえてくれるからできているということが非常に良くわかるし。自分のことを思ってくれる人というのは非常によくわかる、のはわかります。でも、でも、気を使って来られない方もおられる。それもよくわかるので、そこら辺は、あのー、近くに来てくださったから、この方が自分の味方っていうだけじゃなくて、いろんなことでいろんなことがわかるので、当然に聞く(?)こともありますし。ただ自分の(やりたいことを?)させてくれることはよくわかるというのが、えぇまぁ現状です。あとは病棟看護師。病院に関しては病棟の看護師さんというのは、患者さんのコミュニケーション、最近はリスク管理にばかり忙しすぎて、本当にコミュニケーションというのはなかなかとれていないのかな、というような気がします。

あと、コミュニケーションはやはり個人の能力の差が大きいのでそこらへんをきちっと変えていかないと、ちょっと、きっとお互いに困ることが起こるんじゃないかなというのと、あと自分の病気のことを入院しててわかってくれる。(のは誰か?)当然、主治医はわかってるんですけども、主治医以外の誰がわかっているのかがわからない。

今、チーム医療が進んできて看護師さんと、たとえば栄養士さん、管理栄養士とか、いろんな方が、薬剤師とかいるんですけれど、あまりにも役割分担されてて、トータルとして自分のことをわかっているのは、主治医以外誰がいるのかなということがクエスチョン。で、情報共有は、電子カルテって、きっとみなさんされていると思うんですけれど、記入の仕方、記載の仕方って、個人の能力がものすごく大きいので、それだけで共有されていると思うとそれはもう全然間違いだというふうに思っています。

ですがきちっと患者さんと、しっかりと話をしてくれる方がいて、それを皆で病棟とかでやっぱりきちっとなんとか共有してもらわないと、なかなかうまくコミュニケーションをとれないんじゃないかなというふうに思いますし、ま、そこらへんは、えー、やっていかないといけないかなと思います。

ただ、患者さんにとっても、患者さんにももっと変わってもらわないといけないと思っていまして、やはり今まで通りのお任せしますというのは、もう絶対に成り立たないと思います。先ほども言いましたけれども、全体を把握している人が、もしかしていないかもしれないということを思って、自分自身がもっと医療のことに関心を持っていかないと、今後きっと患者さんも困るんじゃないかなというふうに思っていますし。何も言わないということは、不自由はないということになっちゃうので、だからやっぱりなにか発言をしていく。発言を患者さんもしないといけないですし、理解できないことを確認しないといけない。そして誰が自分のことをわかってくれるのか、できれば患者さんが加われるものがあったら積極的に参加して、医療にもっと関心をもってくれないと、おそらく今後はもっともっと困ったことになるんじゃないかというふうなということは、ちょっと患者さんになってみて思うことです。だから、患者も変わらないといけないと思いますし、ある意味、自分の命をある程度自分で責任を持つ覚悟を持たないといけないかなと、これはセカンドオピニオンをとるかとらないか、いろんなこともあると思うので、そういうことは今、実感しています。

これはあの岸本葉子さんで、エッセイストの方ですけれども。この方といろいろ交流があるんですけれども。僕はもういろんなことを思っててそれがうまく言語化できないんですけども。この方にいろんな、ちょっと冊子が外にあって、がんと向き合う会っていうので冊子の中に書いてもらったんですけれども、いわゆるがんを抱えるといろんな患者さんと家族はフリをすると。ですから、来年がある、さっき言ったように3月まで生きているようなフリをしている訳ですよね。で、たとえば、自分で選択した治療が良かったというのは、フリをしている。え~やっぱり医者に嫌われたくない、家族にも嫌われたくない、見放されたくないというので、いろんな意味でフリをしていると。ただそのフリをすることによって、自分は元気でおられる可能性もあるんですけれども。そのフリで、かなり疲れている面もあると、そういうフリをしていることをやはり医療者がわからないといけないということが1つあります。

ただ逆に言うと、こんど医療者から見ると、医療者も実は知ってるフリとかわかってるフリをして患者さんと対応しているわけですよね。それが本意でない、本当は結構無理をしているという面もあるので、だからお互いにやっぱり無理をしているという面がある。まぁただ、知ったかぶりをして、だからもうそれだけというのはダメなんですけども、やっぱり患者さんの気持ちを考えて自分も経験したことないけど、いろんなことから思うとこうだよというのは、やっぱりフリというのをみなさんされていると思うので、お互いにフリをしている、ということがあると思います。

だからいろいろなフリをしている患者さんと、しったか・・知っているフリをしている医療者で、やっぱりうまくいけばいいんだけれども、やっぱりズレが出てきている。そのズレがやっぱり医療訴訟とかいろんなトラブルの元になるんじゃないかなというふうに思っています。

ただそういう、いかにズレ、お互いのフリをとるかということで、お互いにフリをしていることを、まず気づいて理解しないといけないかなというふうに思っていますし、まず、そしてやっぱり医療者というのは単に病気のみをみるんじゃなくて、患者さん・家族には生活とか、人となりがあるので、そこまで踏み込まないと、フリというのはとれないというふうに思います。

逆に患者さん・家族もお任せじゃなくていろんなことを学んで、ある程度自立していく覚悟。そこら辺までしないとやっぱりお互いのフリをとれない。そのためにはやっぱり対話をする場所とか、コミュニケーションをする場所。そういうのは場所がないといけないかなというふうに思っていますし、それは病院の中では難しいなというふうに思っています。そういう場所を作れといったときに、そしたら患者さんが作ればいいとか。そういうわけにはいかないので。病気というものを抱えると、やはり医療者と患者さん・家族ではやっぱり傾斜ができるので。やっぱりまずは医療者側がそういう場所を提供してあげないといけないかな、作ってあげないとけないかな、というふうに思っています。

で、かつ、病院の中っていうのは、やっぱりいろんなハードルができるので、できればそれを院外に作らなければ行けないというふうに思っています。まあ、簡単に書くと病院の中ではいろんな人とつながれるわけですけれども、立場は患者さんは医療者側の下にいると。ただ、これが生活の場に行ってしまうと、いろいろな方がおられるし、この方の病気を知っている方もそんな多くない。その中で、やっぱり専門家とか人とのつながりが希薄になります。

えー、当然医療者っていうのは、ここに出てくる人は少ないので、やっぱりそういう患者さんの生活の場ということになると、やはり不自由・不安感も非常に大きい。そういう中でどうすればいいかということ。ということを考えたときに、えーマギーズケアリング、あ、キャンサーケアリングセンターというのをたまたま知ったということになります。これはイギリスにある施設で、またちょっとパンフレット、時間がないのであれですけれど、パンフレットに書いてありますけれども。今度お台場の方にも、あのー、東京にも豊洲の方にできますけれども。そういう話を聞きました。これは患者さんとか家族、その友人が孤独で不安な時に、安心してがんの患者さん、えー、訪ねられて、かつ癒される空間であり、でかつ専門家がいて、いろんなアドバイスがもらえると。で、孤独でも、1人で行ってもいいし。で、専門家のアドバイスをもらってもいい、ただ治療するわけではない。そういう場所ですね。

だからまあ、安息の場というふうに、ちょっと言葉を借りて使ったりしているんですけれども。えー、再び自分が歩み出せるような、新しい相談支援の形かなというふうに思っています。で、これだっていうふうに思ってまして、で、これを金沢にできないかなと。同じようなこと。おそらく日本全国で思われて、活動されている方も多いんですけれども。がんを患ってもその人らしく生きることが(できる)場と、がんにかかったすべての人たちの出会いの場、それを生活の中にできないかなということで、今仲間と活動していると。

これは病気になる前から思っていたんですけれども。で、まずはなんかやってみようということで1日マギーの日ということで。ただ、金沢くんだりでマギーって言っても、マギーって何だろう、何なの?ということを言って、その説明をするのにかなりとられてしまうんですけれども。でも、今度本当に、えー、東京にできるということになると、そういうシンボルとしてマギーという言葉が根付けば、おそらく皆にも、もっとわかりやすくなるんじゃないかなというふうに思っています。で、まぁ、今年もそういうような活動をしています。

で、これは東京にできる、豊洲にできて、来年6月、完全オープンですよね、でー、1月着工でしたっけ?そんなふうで、こういうふうに本オープンということで、きれいなものができると、そうなるとたぶん、わかってもらえるかなというふうに思います。

ただ、金沢にそれを、箱モノを作ればいいかというと、そういうわけではなくて、えー、やっぱり金沢というのはみなさん、多分好きな方もおられると思うんですけれども、親しみがあって、安らぎがあって、ハイクオリティ、っていう。金沢自体がおそらく、それを安息の地っていったらそのままでかな。ただ、やっぱりそういうふうにがんに特化しているわけでも(なくて)、金沢の町全体が僕らも好きだし、そういう場所。そういう場所にマギーというものを考えると、箱ものではなくて、金沢らしさを生かして、みんなが地域の人がそこに行けるような、たとえば金沢の古い景観を壊さないような建物を、そういうものを使えばいいんじゃないかな、というふうなことを思っています。こういうような町の中に、えー、こういう箱ものを作るんじゃなくて、金沢の景観を生かしてやっていけばいい。何が重要なのかというと、それは建物を作るんじゃなくて。えー、やっぱり歩いて行けるところに一般の方々が来れる。ただ、こだわりとしては、中に人ですよね。やっぱり専門家がいてほしい。専門家というのは、外なので、病院の中の専門家って医療職に決まるんですけれども。外なので、当然、生活のプロがたくさん必要ですし、建物のプロとかやっぱり主婦のプロ、宗教のプロ、コーディネーター、お金のプロいろんな方がいないと、関わってもらわないといけない。で、ただ、だれでもプロになれる、というふうに思っています。人は誰かの、誰でも何かのプロであり、役割があれば、たとえがんになってそこに来ても、がんの患者さんでも、やっぱり役割があるので、そういう役割を果たしてもらえる場所という、そういうこだわりです。

もう1つは食と空間ってことで、やっぱり空間というのが。やっぱり大事にしたい。単なる事務所の片隅で、そういうことを、自分を取り戻す、そういうわけにはいかないので、ぼーっと庭を見て、歴史のあるところを見たりとか、穏やかな雰囲気でいたら自分を取り戻せるかもしれない。あとはやっぱり石川県、金沢なんで、食にこだわりたいということで。そういうこだわりをもって、金沢、石川県だからこそということで、仲間が今は、食の教室くでんという町家を改装して、今日もおられますけれども、そういうことを発信したいというので、そこに相乗りという形で、まぁ今後仲間を増やしてやっていきたいと。

だから小さくてもいいから、地域にマギーの役割を果たす場所を作りたいということと、やはり仲間とつながる。自分1人でできることで(は)限りがありますけれども、仲間とつながるとそれは無限大に広がりますので、それは石川県、金沢に限らなくて、日本中だと思います。やっぱりできることからコツコツやらないと、やっぱり見える化していかないと誰もつきあってくれない ま、そういう面で時々やっていこうということで、12月からきちっと、今度は活動の場をもっと広げていきたいなというふうに思っています。

えー、実際自分が病気になる前からこういうものが必要じゃないかなと思ってやってきたわけですけれども、実際、そういう自分がたぶん、こういうところを利用する立場になってみると、絶対に必要だなということを実感したので、きちっと形で今後はやっていきたいなというふうに思って、腹をくくってやっていかないといけない

ですからまあみなさんもたぶんそうだと思うんですけれども。病んでも老いてもどっかで死ぬわけなので、最後どこで死にたいかということを考えると、そこで死ぬためにはそこの町を良くしたいという思いだと思うので。まあ医療者と患者がフリをせず、本音で語れる社会を目指して、ぜひいろんなことで一緒に活動したい。まあ、金沢で一緒にやってもらえればいいんですけど、そういうわけにもいかないと思うので、いろんなところでやっていろいろ情報共有できるというふうに思います。以上です。

ちょっと長くなってしまいすみません。ありがとうございました。

 

<テキスト化:井上まや つくば栄養医療調理製菓専門学校 管理栄養士>

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